着地点のないヒトリゴト

音楽(ボカロ、J-POP)、サッカー(Jリーグ)、ニコニコ動画(例のアレ)の話が多いと思います

集客におけるバスケットボール競技の優位性について

3月18日に青山学院記念館でBリーグ(国内プロバスケットリーグ)の試合を観に行った。Bリーグは4回目の観戦である。サンロッカーズ渋谷の今日の対戦相手はシーホース三河だった。三河が強いらしく、第2クォーターで3点差。渋谷が何とか喰らいついている試合内容だった。

第2クォーターが終わると20分間のハーフタイムだ。実質トイレタイム。小便を済ませて帰ると、大学生らしき女の子たちがペンライトを持って応援している。コートを見ると男性アイドルがパフォーマンスをしていて、こちらを向く度JDたちが「キャー!」と叫ぶのだった。恐るべし若き女のパワー。

こういう光景をテレビのバレーボール中継で見たことがあった。ジャニーズのグループがコート内で踊るアレだ。アイドルを使った動員、テレビは「盛り上がっている」ことを見せたいのだろう。しかし、アイドルのパフォーマンスが終わるとファンは試合を観ずに帰ってしまうことがあるらしい。せっかく放送で競技に触れる機会を増やしているんだから、試合を観ることも工夫して普及すれば良いのに。

今回も動員という意味が含まれているんだろうな。と考えてるうちにアイドルのパフォーマンスが終わる。果たして、JDたちはみんな帰ってしまうのか・・・


JDたちは(ほとんど)帰らなかった!


これには驚いた。彼女たちは第3クォーターもしっかりと見ていたのだ。第3、4クォーターで約1時間だ。目当てのものが終わりあと1時間も興業があるというのに立ち去らなかった。なぜ彼女たちは試合を見続けることができたのか。

試合は続き第3クォーターで渋谷が(確か)17点差をつけられ、正直試合はここで決まったと思った。しかし第4クォーター、プレッシャーをかけ続けスティールを複数決める。残り18.5秒でハレルソンが決めて、3点差。まだ勝てるチャンスはある。アリーナ全体は興奮状態だ。一番印象的だったのが次のシーンだった。渋谷がファールで止めて、三河の比江島がフリースロー。1回目を外す。すると「イェーイ!」と言わんばかりの歓声が上がり、それと同時にブーイングが始まった!この時のブーイングが凄まじかった。女性が多かったせいか高い声で迫力には欠けていたかもしれないが「外してくれ」と全体が祈っているようだった。凄まじいブーイングの中で比江島は冷静に2回目のフリースローを決める。次の攻撃で渋谷は点を取ることができず、77-81で負けてしまった。苦しい試合だったが、最後で自分たちのやるべきことを確認し実行した。それが会場の熱を生んだ良いゲームとなった。

「なぜ彼女たちは試合を見続けることができたのか」
グッドゲームの余韻に浸りながらも考えた。試合観戦を振り返ってバスケの競技性・特性がそうさせるのではないかと。考えたことをまとめてみようと思う。


0.はじめに
ここまで書いてきたが、私はサッカーJリーグ・2部のクラブ(FC町田ゼルビア)をメインで応援している。また、Bリーグはまだ渋谷の試合しか観ていない。したがって行ったアリーナも青山学院記念館のみである。基本的にサッカー・バスケの試合観戦を通じての比較になることをご了承願いたい。

1.屋内競技である
屋内競技は天候に左右されない。屋外スポーツを観戦したことのある人なら分かる思う。雨の日サッカーは中止にはならないが、屋根のないスタジアムで観るとかなりしんどいのである。カッパを着なければ濡れるし、持ってきた荷物も濡れるので45Lポリ袋を持ってこないといけない。誰もが濡れたくないと思う。サッカーを観に行く人にとって、天候はハードルになる項目である。対して、バスケは観戦時に雨具はいらない。青山学院記念館は表参道駅から歩けば5分以内で着く。ほぼ濡れないのである。これは大きな差だと思う。

2.コートとの距離が近い
まず単純にコートがサッカーと比較すると狭い。その分、座席を近くにおける。それが臨場感へと繋がるのだ。サッカーではアリーナ席がほぼない。スタンド席で観るものである。対してバスケはアリーナ席が多くある。またバスケは接触プレーが一切ないと観戦する前は思っていたのだが、ゴール前のポジション取りは激しく体をぶつけ合っている。外国籍選手同士は特に激しい。体のぶつけ合いが近くで見られる。これだけでも十分に興奮できる要素なのだ。

3.収容率が数字以上に高く感じる
「収容率が高い」ではない。B1ライセンスで座席数は5000席以上と定められている。青山学院記念館の収容人数は5000人。3/18の三河戦は3369人。収容率は67%。これを上回るJ1(2017)のチームは神戸、C大阪、清水、大宮、仙台、柏、川崎、磐田の8チーム。渋谷がズバ抜けて高いわけではない。ただ、アリーナそのものの面積が狭いので余計に人が多くいるように見える。これの何が重要かというとアリーナの一体感が生まれることにある。座席は分かれているものの熱量はサッカーよりも多く感じた。サッカーではゴール裏が一番熱く応援しているのだが、メインスタンド、バックスタンドとの距離が遠く、またピッチとの距離も遠く常時一体感を感じにくい。もちろんゴールした時、勝利した時など瞬間の熱量はバスケのそれを上回るものだと思っている。

4.得点数が多い/攻守の切り替えが早い・ハッキリしている
サッカーを観たくない人にとってゴール数が少ないことは退屈に感じるはずだ。また、ボールを回しているだけで時間が過ぎていくことにイライラするだろう。今攻めているのだか守っているのだか分かりづらい。こういうこともあるかも知れない。だがバスケは違う。得点数が多いのは明らかだし、好守もハッキリしていてルーズボールになることがほぼない。さらにバスケにはショットクロックがある。攻撃側は24秒以内にシュートを打たなければならない。サッカーのようにどちらがボールを長く保持し続けるのは不可能で、これが攻守の切り替えを早くしスピーディーな試合展開を可能にする。ゴール数が多く盛り上がりやすい。攻守の切り替えがハッキリしていて分かりやすい。攻守の切り替えが早く飽きさせない。これがバスケットボールの特徴である。

5.応援はクラブが盛り上げてくれる
サッカーとバスケではそれぞれ応援のスタイルが違う。サッカーはサポーターが主体となって応援するが、バスケはクラブ側が応援を提供し、観客がそれに乗っていくスタイルになっている。具体的には手拍子しやすいような音楽が流れ、守備時には手拍子の最後に「ディーフェンス!」とコールされる。攻撃時は最後にチーム名をコールするような形になっていたりする。コールはすべてチアガールが居て彼女らがやってくれて、観客は手拍子だけで応援できるのだ。クラブが応援を用意することは盛り上げるという意味も含まれている。対してサッカーはコールをする場所がゴール裏と決まっていて、その意味は選手・クラブに対しての応援のみである。盛り上げを意識した応援、これもバスケの特徴ではないだろうか。


以上5点がバスケットボールの競技性・特性ではないかと考えた。
これらが観客にどのような影響を与えるのか


「観客を興奮させることができる」


これがサッカーと比較したバスケットボール競技の優位性ではないかと思う。狭い会場の中で大男が体をぶつけあい、応援の楽しみ方はクラブ側が提供してくれる。試合は分かりやすくスピーディー。Bリーグはエンターテイメントとして成り立っている。これがJDたちが試合を観続けることができた原因ではないかと思った。

Bリーグの誕生はサッカーのサポーターとして非常に悩ましいものだ。とてもじゃないが興奮度では勝てない。それは競技性に影響されているからだ。バスケは試合そのものを集客の方法として使える。ではサッカーはどうすればいいのか。試合以外の所にフォーカスして「楽しい」と思わせること。これが満足度を高めリピーターを増やすことになるのではないだろうか。カギを握るのはサポーターだ。サッカーのサポーターは能動的な楽しみ方をする。ゲートフラッグしかり、スタジアムグルメしかり。それぞれが独自の楽しみ方を持っている。潜在的なアイディアは楽しんでいるものにあり。面白い奴を拾っていけば何かあると私は信じている。クラブがそれに気づくことができるか。Jリーグの発展を見守っていきたい。